今では炒め物の総称として「チャンプル」が一般的なんだけど,元来は島豆腐と一緒に炒めたものが「ちゃんぷるー」,島豆腐なしの炒めものは「タシャー」なんだそうで.それはともかくウチナー飯のメニューはこの炒め物系が有名だし実際のとこ店でも断然多い.
(規模の大きい店を別にすると)大概の町食堂では過半数がチャンプル系で,次いで汁物系(「みそ汁」か「中味汁」,少数だけど一部地域で「山羊汁」).細かいこと言えば「ポークたまご」(名護では「おかず」はかなり少ない)も定番だけど,あれは伝統的なウチナー飯ぢゃないだろう.
炒め物系の割合が低い店の場合,他は洋食系つのかもっぱらフライ・揚げ物メニューが多い(アトは全国共通でカレーやチャーハンとか).強いてさっぱり系と言うと「ゆしどうふ」や「じゅーしー」あたりなんだけど,おまけ的扱いでメインの一品として出してる店は少ない.
つうワケでウチナー飯にはあっさりメニューは無いのかと思ってたワケだ.そこに最近この二品を発見.
「豚飯」トンファン
「豚飯」は豚肉入り炊き込み汁(かつおダシ)かけご飯.オレこーゆー炊き込み飯系は好物.さらに汁かとなると大和で言うとお茶漬けに近い感覚なのかな.家庭で簡単に作れそうなメニューだ(具材を小さく丁寧に刻んで炊くのがコツだとか).でも炊き込みに汁かけって意外と味付けの加減が難しいかも.
宮廷料理とされるワリには地味ぢゃんと思ったんだけど,米や豚はその昔一般的には使えず庶民の主食は甘藷だったとか.同様の料理に「セーファン」(菜飯),「ケーファン」(鶏飯)てのがあるそうだ.
「鶏飯」てと内地的には奄美及び鹿児島名物なイメージなんだけど,これまた琉球伝来つか中国由来なんだろーな.
チムシンジ
「チムシンジ」は豚レバー(チム)の煎じ汁(シンジ).豚レバーとごぼう,島ニンジン,シイタケなどを一緒に煮込むだけっつんだけどこれまた味付けはどうなん? 昔から体調が悪い場合には色々な食材で作った汁物を飲む習慣があって,そういう汁物全般を「シンジムン」と言うそうだ.何となく薬膳料理の流れみたいな感じ.
この二品(あるいはこの系統)素人目にもそんなに面倒な料理って感じでもないんだけど,巷の食堂に残ってないのは何故なんだろうか? 唯一珍しいなと思って覚えてるけど「食堂ぽん多」に「レバー汁」と「呉我食堂」に「チム汁」て品が有った.「チムシンジ」だったんだな.
年内の「XX生活」は「(沖縄)みそ汁」と「ゆし豆腐」で予定が一杯になっちまったんで,寒い時期だし年が明けたらそのうち食べてみるかって気もするけど,若干味的に不安がなきにしも.