時代や世相，リアルな街の様子(もっと言えばパンピーの生活感)を映し出す作品てのは，近頃殆ど無い気がする(懐古趣味的なモノは有るけど)．必要だとは思うが，商業的には成立しないからな．改めて思うのは，昔はロマンポルノ作品の一部にそういう性格が有り，後にピンク作品に引き継がれてんだなと．
この作品変わってるのは，いきなり始まる作品て普通なら一シーンあってオープニングロールになんだけど，タイトルだけでそのまま続く．なんで予告見てなきゃ先の出演者は全く分からない．
冒頭区役所前で待ってる小川亜佐美が可愛い．公共施設の看板をそのまま使うと，現在ならクレーム対象つか NG なんぢゃね？ 直後の柄本明(これがまた雰囲気変わんねぇな)のハチャメチャな長セリフは，アフレコが随分外れてるのが笑える(この作品は全体的にみんなワリと外れてるけど)．
原案だけかと思ったら，本人(当時４３？)も出演だったんだ．トコロさんの歌が使われたりするし(ちゃんと音楽担当になってんだ)．あとサーカス団(「関根大サーカス」だそうで)なんて，良く調達したなって気が(柄本明がグループで踊ってしまうシーンがまた面白い)．
「不確実性の時代」(1978)ってこの頃だったんか．３０年たってまたそんな雰囲気？
「由利徹」(十八番の針と糸を使うシーンは秀逸)に「たこ八郎」(最近「おバカ」ブームだけど，ここまで壊れたキャラは居ない，つか現在ではムリか？)とこりゃまた随分久々に見るけど，なかなか良い味出してるなぁ．
オチにからむ 幸福の黄色いハンカチ (1977) か．
山本晋也[監] 結城マミ，宮井えりな，日野繭子．エンディングに「タモリ」の名前もあったけど，分からなかったな．エンドロールに各出演者毎の絵と名前が出る．パンフにも演者の名前が載らず資料にも残らないってのが多過ぎんだ(殆どの映像作品で何故それが「普通」なのか理解に苦しむ)けど，ああいうのは親切で良い．
