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明らかに日本とは対応が違う.
米ハワイ州への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備計画で、米軍が同機によって引き起こされる下降気流が遺跡保存に悪影響を及ぼすことや地元住民の反対、希少生物の生息環境破壊への懸念に配慮し、二つの空港での訓練計画を取り下げていたことが12日、分かった。米軍がオスプレイの運用が自然環境に与える影響を部分的にでも認め、訓練計画を中止したのは初めてとみられる。(知念清張)
ハワイでは2018年までにオスプレイ24機がカネオヘベイ基地に配備され、州のほぼ全域で訓練が計画されている。
訓練が中止されたのは、いずれも同州管理のモロカイ島にあるカラウパパ空港とハワイ島にあるウポル空港。
環境影響評価(アセスメント)最終報告書を受けて作成された米軍の決定記録文書には、「MV22は現存するどの航空機よりも回転翼からの下降気流が大きい」と指摘し、「考古学的な資源への潜在的な影響を懸念し、MV22のカラウパパ空港での訓練を取り除く」と明記している。
また、海兵隊とハワイ州歴史的遺産の保存に関する諮問委員会との間で交わされた計画合意書には、ハワイ王国の初代国王・カメハメハ1世の生誕地が1・6キロ西にあるウポル空港について、機体の異常や天候不良など「緊急時の着陸以外は空港の使用を制限する」ことが定められた。
米軍はアセス準備書で、オスプレイによる制限地着陸訓練をカラウパパ空港684回、ウポル空港では228回計画を提案。
二つの空港周辺は、ハワイモンクアザラシや、ザトウクジラ、アオウミガメなど野生生物の生息域であるため、6月にまとめられたアセス最終報告書には、環境への影響を懸念する意見が記載された。
また、ウポル空港周辺の住民からは住宅地上空の飛行や夜間の騒音への不安、観光や農業への悪影響、さらに訓練が激しくなることに伴う不動産価格下落を恐れる声や、生活の質が守れなくなるという訴えも寄せられていた。