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『オスプレイ高重量で墜落リスク』(「エンジン停止時、高重量を搭載した状態で飛行機モードに転換すると、高度を失って結果として地面に衝突する可能性がある」)ての前に貼っておいたが,性能不足が明らか.
元海兵隊大尉が警鐘 性能誇張「人為ミス」誘発
「オスプレイは限られた条件下でしか、ホバリング(空中停止)ができない。できないことをできると証明しようとして起きたのがあの事故だった」。そう語るのは、元海兵隊大尉で新聞への寄稿などでオスプレイの危険性に警鐘を鳴らすカールトン・マイヤー氏だ。
同氏は、2010年4月にアフガニスタンで発生した墜落事故の原因について、「ホバリング着陸の失敗だ」と断言。事故直前に「アヴィエーション・ウィーク」が掲載したオスプレイのホバリング機能を疑問視する記事がきっかけとなったと話す。記事で、第160特殊作戦航空連隊のハットマッチャー大佐は、陸軍がオスプレイを使わない理由について、ホバリング能力がオスプレイでは4000フィート以上(1219メートル)で制限されると指摘した。
マイヤー氏は「アフガンで高額なオスプレイを使用する空軍が、その性能を示す必要に迫られ、最初の戦闘任務で、5226フィート上空(約1592メートル)でホバリング着陸を試みた結果、墜落した」との見方を示す。
同事故の調査委員長を務めたドン・ハーベル氏は、報告書のなかで、パイロットの操縦ミスの可能性を否定。主要因をエンジントラブルと結論づけたものの、ホバリングとの関連については指摘していなかった。
マイヤー氏は、「ホバリングが制限されるのは軍用輸送機として致命的な欠陥だ」とし、こうした事実が公になれば、同機の安全神話が崩れると指摘する。
さらに、製造元ボーイング社によるデータが性能を誇張しているため、それに基づいて作成されたパイロット用のフライトマニュアルが「人為的ミス」を誘発していると主張する。
80年代に沖縄に駐留した経験を持つ同氏は、飛行ルートや高度などは米軍のやりたい放題だったとの認識を示した上で「ホバリングを回避することが重要だ。住宅地と隣接する普天間基地周辺では、ホバリングを避けるためにヘリコプターモード(VTOL)での飛行を制限する必要がある」と警鐘を鳴らす。
日本政府は、安全性を確保するため、海上ルートでの飛行要請などを検討しているが、ホバリングに関する言及はない。
マイヤー氏は「オスプレイ配備の議論の前に、危険な普天間は今すぐ閉鎖すべきだ」と強調。その上で、「事故の大半は離着陸時に発生している。岩国基地なら住宅地を回避して海上に出られるが、普天間では住宅地の上しかない。どうしてもオスプレイを配備するというのなら、VTOLモードは禁止すべきだ」と訴えている。(米国特約記者・平安名純代)