ジュゴンは、ワシントン条約で絶滅の恐れのある種、IUCN(世界自然保護連合)で危急種、日本哺乳類学会で絶滅危惧種、文化庁で天然記念物などとされ、日本に唯一生息する海牛目である。その生息地が普天間の飛行場代替施設の予定地となっているが、この事業は、環境影響評価法に基づく影響評価を行うことが一九九九年一二月に閣議決定されている。よって以下質問する。
1 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」の施行令では、ジュゴンは国際希少野生動植物種として指定されているにも拘わらず、国内希少野生動植物種の指定を受けていない。この事業で環境影響評価を行うのは、ジュゴンに限らず重要であることは言うまでもないが、ジュゴンの希少さを考えれば、性急に保護策をとる必要があると考える。国内希少種の指定を含め、保護に向けた取り組みについて、政府の考えを明確にされたい。
2 防衛施設庁から示されている飛行場代替施設の三工法八案のうち、名護市辺野古区の行政委員会では、リーフ上の二案を尊重するとしながらも、沖合に建設すべきだという意見や、規模の大きい軍民共用空港は問題があるという意見が出ているという。工法だけでなく建設の位置や空港のあり方についても、さまざまな主張が混在していることを、政府はどのように認識しているか。
3 普天間の飛行場代替施設の問題については、安全保障問題の観点からはもちろん、適用例の未だ少ない環境影響評価法の正しい運用の観点からも、より幅広い選択肢を元に幅広い人々の意見や参加を求める必要があると考える。ジュゴンの希少性を鑑みても、政治的判断によって環境保全の観点からの選択肢が狭められることがあってはならない。政府は今後も、複数の工法、建設位置、空港のあり方などについて、幅広い議論を行うと共に、環境保全の視点も重視することが大切であると考えるが、見解を示されたい。
右質問する。
基地建設の阻止に向け,環境アセス法(環境影響評価法)を楯に方法書に「ゼロオプション」を求める活動などが行なわれている.が「国内希少種の指定」がされれば,辺野古沿岸の基地建設はできなくなるはず(ではないのか?).故に国は指定を避けているのだと思うのだが(ここは外圧で認めさせるとかしないと駄目なんだろうと思う).方法書の調査対象にジュゴンが指定されていて,「ゼロオプション」があるとすれば,建設はできなくなるだろうから,国としてはまず受け入れないだろう.