実相寺昭雄[監] 劇場用長編第1作(同じく ATG の前作は中篇)にして公開当時 R-18 指定*1.「司美智子」11PM のカバーガールだったんすか.ルックス的には田中三津子の方がタイプですけども.
チェンバロ?やバイオリンの BGM が時代を感じさせる.この頃はまだ4:3が普通?
移動と顔のアップ(不自然な程)のショットが多い.昔はカメラもデカイ重いで大変だったろうな.もっとも台車なんかは,ブレない様にわざと重くしてあんだろうけど.ましかしレールが有る都合上,バレんようにフレームに制限が出るすけど,この当時も簡単にバラせる(直ぐに足したり外したり出来る)レールやったんやろうか?*2
レールの組み立ての時に,水平を出すのにレールの下(木ではないけど枕木部分)に,厚さの違う薄板を組み合わせてかます.どの部分に何をどれだけカマスか,水平器を持ったリーダーが指示する.相当アナログな作業だ.
組み立てた直後に,取り囲んだスタッフに全体的に大体の分量を伝えて,最後に微調整って要領.これが経験と勘による職人技で実に素早い.でもってバラす時も,早送り見てるみたいに早い.見てて面白かった.
見せ場やろうけど,能面のシーンはちょっと長い気がする.あといかんせん映が暗いなぁ.自然光で撮ってる感じすらする.
しかし見方によっちゃ住職に仏心が無いんとちゃうか? 足止めするか,他所に誘導すれば良かったんぢゃ.
涅槃(すなわち「常」と云って良いのか)とは「時間と空間の無い永遠の停止」(物理学的に言うと「ビッグバン」前やな)というセリフが有る.エヴァの「人類補完計画」とかコードギアス「ラグナレクの接続」ってネタは,この辺りの宗教理論に由来してんのかな.
はともかく,住職との討論のシーンで終わって良いやふな気がする.婆ちゃんとコイのくだりは何やねんて(デッカイ魚体の作り物は「カムイ」を思い出させた).それまでとは打って変わって明るい,ラストシーンの挿入歌も何なんだ?って感じ.
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昔の作品に限ったハナシぢゃないけど,一般に制作費とか公開期間,観客動員数なんてデータが残らないのは,何だかなって気がするよ.