少年による尊族(親族)殺人や傷害事件ってのは，確かに近年増加傾向にあるとの指摘がある．最近の事件はとかくセンセーショナルなものがあるので，一旦報道で取り上げられだすと，かなりの大騒ぎになるのだが，そういう特定の少年犯罪にばかり過度に注目してはいけないって気がする．
絶体数から言えば，自殺(失踪)とか，育児放棄，虐待死といった事例の増加傾向の方も，無視できないはずなんだ．アメリカでは歪んだ精神状態の矛先が，銃の乱射(大量無差別殺人)のようなものに向けられることがしばしば．日本でのそういう異常かつ発作的な犯罪ってのは，少し前までは通り魔的なもので外部(他人)に向けられることが多かったというが，近年は身内に向けられることが増えているという話があった．
つまりより親しい者を傷付けることの抵抗が薄れて行くような連鎖があれば(はけ口を外部に向けられない葛藤はあるんだろうけど)，やがて日本でも大量殺人みたいなことが，起き得る世の中になりつつあるのかも知れないって恐怖がある．核家族化の進んだ今，また新たな別の「家族」の有り方を，考える時期に来ているのではないだろうか？ 皆が皆全て同じペースで学校に通って進級するってのも，もう少し自由度があって良さそうだ．
