英語が通じるエリアは,世界的に見ると僅かでしかない.ヨーロッパの先進諸国なら,英語だけで何とかなるかも知れないけど,現地の言葉を交えれば,好意を持って貰えるのは確か.しかしフランス語やスペイン語と違って,アラビア語は殆ど通じなくて苦労する. 子音と破裂音が多くて,日本人には聞き取れない音やアクセントがあるみたいだな.
- お願いします.(これは基本中の基本.日本語と同じで色んな場面で有効)
- ありがとう.(これも基本中の基本ですな)
- トイレはどこですか? (ゼッタイ不可欠かつ応用ができます)
- 〇〇語は話せません.(話してるぢゃんって突っ込みは置いといて)
- ここに書いてください.(これは結構必要でノートは必須アイテム)
- 次のドコソコ行きは何時ですか? (日本みたいに懇切丁寧な表示は無いし,あっても読めないワケで)
- この列車(バス)は××に行きますか? (確かめて乗らないと大変なことに)
- ホニャララは有りますか? (まずは案内所で地図を貰う時とか)
- これは幾らですか? (最近は何処に行ってもコンビニ有ったりするけど,地方だとやっぱり必要)
- (できれば100くらいまでの)数字.(せめて20くらいまで)
- 一泊幾らですか?
- 朝食付きですか?
- 夏時間はいつからですか? (悲劇を避けるために)
これくらい覚えて(用意して)おけば,楽しい旅行ができる.
過去に最低でも5回くらいは,勝手な判断で乗り間違えをやらかしたことが有る.都市部のローカル列車なら,次で降りて戻れば済むけど,日に1,2本だけの列車とか,殆ど停車しない特急列車でやらかしたら,もう笑うしかない.一番酷かったのはイタリアの TGV (新幹線)で,次の停車駅まで普通の特急だと3時間くらいだったかの距離を逆戻りしちまった.
大きな街のターミナル(始発)駅なら表示も多くて乗り間違える危険は少ないけど,途中駅の場合は気をつけないといけない.表示があることは稀だし,同じホームに逆方向の列車が停まるのは普通だし,日本と違って時刻が適当だから,その列車が何処行きなのかを見極めるのは難しいなんてものぢゃない.車両に並んでる駅名のパネルがあった(アナウンスが多少聞き取れるようになった)としても,上から下なのかその逆なのか1/2の確率.勝手に判断すると大変なことになる.
リストの最後は「カサブランカの悲劇」にまつわるもの.代理店や空港ならまず英語が通じるから,ワザワザ現地語で覚える必要はなく,これは冗談だけど.
数日前にマドリ行きのチケットを買って,当日はほぼ時間通りに空港に着いたら(南の国はたいてい遅れるのが普通だし),「もう出発しまいした」.はぁ?「何でやねん? まだ定刻前やんか?」と係員に詰め寄ったら,「今日からサマータイムなのよ」だって.まさかそんなことが起こるなんて.酷ぇよ代理店のねぇちゃん,何で言ってくれなかったんだよと恨んでも後の祭.
何故か次のマドリ行きは5日後だとか言うし,現地通貨は再両替できないから使い切っちゃってるし,延泊するだけの現金も持ってないし,ヱ”ーどふしよう! 頭パニックになってるところに,「クレジットカード持ってへんの?」と言われ,「これ使えまっか?」と聞くと OK ちゅーんで,何処でも良いからマドリ方面に行く次の便頂戴ということにして,生涯初のビジネスクラスに搭乗となった.
飛行機の乗り遅れは今のところあの一度きり.しかもオレの所為ぢゃないだろが! でも実は旅の醍醐味ってのは,こういうトラブルなんだけどね.何かしらトラブルがなかったら,旅する意味がない.