早いもので今年も残すところあと9ヶ月となりました.
小泉くんが郵政民営化を掲げた様に,阿部くんもデッカい看板が欲しいだけ(で終わる)ってこと?
さらには、現行法で国家公務員は「離職後二年間は、離職前の五年間に在職していた機関と密接な関係にある営利企業には原則、就職できない」となっているが、改革案では、押しつけ的あっせんを規制する代わりに、この事前規制が撤廃される可能性が大きい。そうなれば、ノンキャリアの天下り先の選択肢は現在より格段に広がり、半ば野放し状態となる。
それに、能力主義、実績主義もくせものだ。キャリア、ノンキャリアで分けて採用する現行制度に手を付けずに査定を入れても、キャリア組が評価する側となり「能力主義の美名のもと、現行のキャリア制度を合法化することになりかねない」と堤氏は危惧(きぐ)する。
ただ、ノンキャリア組は天下りしてもそんなにいい思いをするわけでもない。再就職せずに専門スタッフ職として役所に残れる仕組みや、キャリア組でもスペシャリストとなる道もつくろうとするなど、評価できる面もある。民間を含む幹部ポストの公募制も一考の価値はあるという。
だが、そもそも天下りは政官業の三角形を支える柱のひとつといえる強固なシステム。「一府二十一省庁」を「一府十二省庁」に省庁改革した橋本政権も、結局は公務員制度には手を付けられなかった。「自民党をぶっ壊す」と叫んで、郵政民営化を実現した小泉政権でも、何度か公務員改革の話は出たが、立ち消えになった。
本当に天下りを防ぐには「キャリア制度の見直し」や「大胆な幹部の政治任用」といった制度改革が必要不可欠だ。今回の改革案は拙速さが否めず、省庁の応援団の族議員からも「改革案の中身があやふやで分からない」「公務員の士気に影響する」といった反対意見が相次ぎ、法制化には暗雲がたれ込めている。
堤氏は「そもそも、新人材バンクをつくるだけで政官業の癒着構造は変わるはずがない」と安倍首相の本気度に疑問を示しながら、こう解説する。
「官製談合事件の背景にある天下り問題に対する国民の根強い批判と改革を求める世論を意識し、選挙対策で、とりあえずポーズをつくっただけではないのか。こう考えると、改革案の詰めの甘さも説明できる」