統計上の自殺理由に「いじめ」はなかったらしいし,教育委員会や旧文部省(文部科学省)としては本来実態を把握しておくべきところが,永年見て見ぬふりを続けてきた.
閉鎖的な環境には必ず「いじめ」(的なもの)は発生する.社会人になってからもそうだ.というか学校の教育現場もその一つに過ぎない.恣意的な「いじめ」ではないにせよ,不公平な「しわよせ」みたいなことは常にある.皆が公平だというのはそもそも間違っている.
しかしだ.校長が教師をイジメ,教師は生徒をイジメるなら,生徒間のイジメを止めようがない気がする.校長くらいの年齢層は「真面目」一辺倒の成果主義のみの世代だと思うが,生徒をイジメるような教師というのは,実は自身がその昔イジメを受けた世代ではないかと思う.
最近の問題に対応するために,スクールカウンセラー(SC)の配置(整備?)というのが,以前あったのだけど,このところの教育改革なんちゃらでは全く触れられていない.教員資格の更新制度というのも,それなりの待遇を補償した上なら構わないが,地域の萬問題を押し付けられて24時間対応しなきゃならないような状況があるというので,哀れに思うところがある.SC の整備は予算的な問題が主因かどうか分らないが,多くの学校で週に数日でしかも半日のみとか,まことに薄い稼動状況にあるらしい.
今時だから電話とかネットとかの対応もありえるだろうけど,深刻かつ急を要する状況の場合,信頼関係の醸成にはやはり対面での対応が必要だろう.しかし SC の資格としては基本的には臨床心理士の資格が必要で,結構ハードルが高い.そこで考えるに,これは医療現場も似た環境なんだけど,先生に雑用をさせないことと,教員資格の要素として,臨床心理士資格に必要な科目の一部を履修させることだ.でもって教師を SC として他所の学校に週一(交代)で派遣するとかそういうことしないと,駄目なんじゃないのと思う.