本来の沖縄料理はシンジムン,ンブシーが中心だったらしい.ただ近代になるにつれ,時間のかかる調理法が敬遠されて炒め系が主流になったとか.これは共働きが多いとかって事情も有るのかな.
町食堂でもやはりそばと同時に炒め系の占める割合が高い.これまた時間がかからないってのが理由だろう.もっとも昔と違って今は作りおきしといてレンジで温めりゃ良いんで,店で出す場合にしてもそんなに時間がかかるってコトもないハズ.単に習慣の問題でしかないよな気もする.
「チャンプルー」(ちゃんぷる)
ご存知島豆腐の入った(中国料理の『炒腐児』が元というのが根拠という説があるそうだ)炒め物.先に千切った豆腐を焦げ色が付くまで炒めてから野菜(主に葉野菜)を入れるものとされる.
食堂メニューで,一方で「チャンプル」を使って他に「炒め」としてあるのは「イリチー」なんだろうか?
「タシヤー」
飯や麺類を炒めた物.大和の炒飯や焼きそばと似た調理法と考えて良さそう.つか東南アジア各地で見られる.しかし食堂メニューでこの名前を使ってるのは見たことが無い.
飯を使ったものなら「タシヤーウブン」または「タシヤーメー」.「ソーミンチャンプルー」は正式には「ソーミンタシヤー」か「ソーミンプットゥルー」(グダグダになってる状態?) と呼ぶべきと云われる.
「プットゥルー」
でんぷん質のものを(油で炒めて)のり状にしたてた料理.
実物は見たことも聞いたこともないけど.
「イリチー」(イリチャー)
主に根菜や乾物を使い(島豆腐は入らない),炒めた後に出汁を加え汁気が無くなるまで煮る炒り煮.
「クーブイリチー」,「スンシーイリチー」,「フーイリチー」,「パパイアイリチー」,「中身イリチー」などバリエーションは豊富だけど,食堂メニューではチャンプルの類の方が断然目立つ.
「ンブシー」(ウブシー),「ンブサー」(ウブサー)
主に水分の多い野菜(果菜)を使った煮浸し,味噌煮込み(汁物の手前).野菜に豆腐や肉などを入れ,汁を少なくして煮たもの.もしくは野菜が主体の味噌炒め煮.チャンプルーとの違いは何だろかって境界は微妙w.
「ナーベーラーンブシー」,「シブインブシー」など.この名前も食堂ではかなり稀で,「XX味噌煮」と書かれてるのがそうなのかな?
「シンジ」
煎じ汁.養生料理とも言うけど元々薬膳料理の流れか?
「チムシンジ」,「イラブシンジ」など.この名前も食堂ではかなり稀.町の食堂で「イラブシンジ」なんぞ出さんわな.
もっとも近頃では炒め系の場合,「チャンプルー」と「イリチー」の区別は結構曖昧で,食堂では(その方が通りが良いからだろうけど)「チャンプルー」としてる場合が多いみたいだし,「タシヤー」って名は見かけたことが無い.あと「味噌炒(みそ炒)」ってのもワリと目にするんだけど,これは新ジャンルなのかな?
- シリシリ
「ニンジンシリシリ」,「パパイヤシリシリ」などの料理名があるけど,調理法と言うより材料の状態(細スライスつか荒千切り?).歴史についてはあまり説明が無い(上の調理法にしてもそうだけど). - 汁物系
「みそ汁」,「中味汁」,「イナムドゥチ」,「アーサ汁」,「アバサー汁」,「やぎ汁」,「魚汁」などなど多種多様な料理があるけど,「汁」と付くだけで調理法ではないだろう. - 魚料理
マース煮(塩煮),揚げ物くらいで,特別な調理法って感じではない. - 炊き込み系
「ジューシー」,「トンファー」等の料理があるけど,特に調理名としては無いのかな? - その他
沖縄には元々焼く(一部の菓子系だけ)とか炙るってのが無いんだよな.
方言幾つか.
エームン | 和え物 |
クブマチー | 昆布巻き |
ヂームン(シームン) | 吸物 |
ナマーシー | なます |
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