この前の「辛い食文化について」の続きネタみたいなところで,沖縄の保存食という観点で辛さとの関連を引き続き考察.
代表格と云われるのはこんなところだ.あまりカサの有るモノや,長期保存向けのモノは無い様子.「豆腐よう」とか「スクガラス」なんてつまみだし,そんなに沢山欲しい気はしない.
- 「豆腐よう」
- 「スクガラス」(獲れるのは年間のうち一ヶ月間くらいの大潮限定)
- 「あぶら味噌(あんだんすー)」
- 「スーチキー(すーちかー)」
多少野菜類の塩や酢漬けのやふなモノや佃煮等も作るらしいが,琉球伝統の食品がどうか分からない.
で前に書いた唐辛子の話とも繋がるんだけど,何故琉球では唐辛子を使わなかったのか考えてみた.
- 発酵食品を作るには温か過ぎ.
- 干物を作るには陽射しが強く湿度が高すぎ.
- 海が近いので,多少の保存食(漬物も)は塩が基本.
- 獲れた物は今日明日で喰えば良いぢゃん(とりあえず茹でとけ).
- 野菜は年中収穫できるし,冬でも漁に出れるから無理に大量保存する必要が無い(畜産もかな).
- 基本面倒くさがり.
朝鮮でも唐辛子伝来前はキムチも「塩」で作っていたという.なんで琉球でも基本「塩」ってことだったのかな.
その一方で生食はモチロン殆どしなかっただろうし,干物や乳酸発酵食品等も稀だったろうから,旨味に関してはあまり発達しなかったのではないかって気がしてる.昆布だってもぱら食用だっていうしな.
ただしその「塩」と云っても,沖縄では「マース」という物で,単純な「塩」ではなかったはずなんで,本来の良さが失われてしまった可能性も有る.
いやしかし古来から海外との交流が活発だったのに,何か料理に関してはいまいちバリエーションが少ないってのがすこぶる不思議だ.
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