救急の受け入れ拒否(たらい回し)ってのは,事有るごとに報道される.その最大の原因てのは「医師不足」だ.もう随分前から特に小児科と産婦人科については言われ続けてることだけど,そうした報道にふれる度に現状は日々悪くなる一方みたいに感じる.でも単に「医師不足」って言葉で片付けてはいかんってコトがあるんだ.
今の政府は次の選挙に向けて分かり易いバラマキにやっきになってんだけど,極端な例としちゃ医師の国有化(国選医師)制度とかまで考えなきゃいかんのでは?ってことですよ.もしくは医師のシェアリング制度だよ.
少し前だけど,銚子市立総合病院が休止状態になるってニュースで驚いた.
この沖縄県北部でも,この前まで北部病院の産婦人科が休止してた(確か現状を知った東北の医師の方が,見かねて単身赴任されてようやく再開にこぎつけた)とか,医師不足問題は各地で深刻な状態.
しかし一時期医師の増産に踏み切っていたはずではなかったのかと,すこぶる疑問(歯科医は増え過ぎたみたいだけどね).それでも公立病院の経営改善(合理化)がつき付けられ,ジリ貧の様子なのだ.
でまあ度々取り上げられることもありぃの,激務をこなす医者が居ぃのってことなんだけど,何かしっくりこない感じが... したら一口に病院と言っても,実は経営する母体が様々で所管が別々.要するに壁が有って,全体でのバランスは取られてないらしい.「医師不足」と言っても,それほど単純ではない様だ.
こりゃぁ現状のまま公立病院に「三年以内の黒字化」ゆうても駄目やろ.ヒトを減らし待遇悪化,医師離れを加速するのは明らかなんぢゃねの? 雑多な病院整理して全体でバランスとらんとアカンやろ.
以下「グレー」な設立背景の病院もあるんで,正確とは限らない.実際には国のお得意な,二重(多重)管理モノもあるかも知れん.
- 国が直接運営
厚生労働省 国立高度専門医療センター(国立循環器病センターや国立がんセンターなど)
厚生労働省 国立ハンセン病療養所
防衛省 防衛医科大学校
- 国が設立し独立法人が経営
文部科学省 国立大学機構 全国の国立大学医学部附属病院
厚生労働省 国立病院機構 全国の国立医療センター(旧国立病院・療養所のうち,国立高度専門医療センターと国立ハンセン病療養所を除く)
- 学校法人
文部科学省 全国の私立大学医学部附属病院
総務省 自治医科大学(栃木県)
厚生労働省 産業医科大学(福岡県)
- 公立病院
総務省 全国の自治体が経営する病院
一般病院(医療法人,個人)は厚生労働省所管だよな.他にも改めて知ると驚くけど,経営母体はこんなに様々.全部ひっくるめて調整してかんとアカンやろ.
- 財団法人
- 社会福祉法人
- 特殊な法人(日本赤十字社,農協(厚生病院),労働者健康福祉機構(労災病院),共産党系の民主医療連合,医師会,国民健康保険組合,社会保険連合会など)
- 宗教法人
- 国や地方自治体の関連団体(警察病院,自衛隊病院,鉄道病院(元国鉄,現 JR),NTT 病院(元電電公社)など)
- 一般企業(大企業が元々従業員専用に建てたものを一般解放してたり,それを他企業が買収したもの)
数の上では少数だからとか言ってらんないんハズ.何せあちこちで医者の数「一人」が問題になってるワケだから.
また他方看護師不足の問題も云われてるんだけど,クラブホステスのスカウトみたいに,看護師スカウト業が成り立つご時世になってるらしい.
報道側も毎度「医師不足」で片付けるんぢゃなくてさ,その裏側にある構造的な問題を,指摘しなきゃ意味ないだろ.
追記
指摘されてる方を見受けるけど,やっぱこんな現状でオリンピック招致どうのなんつのは,いかがなものか?だよな.