さてこの各講習の費用を見るとなかなかお安くない.情報処理分野の一日講習は8000円程度だから,機械代(燃料費)を考えると,不当な程ではないかも知れないが,コマツの場合そう厚くもないテキストが各2100円(税込み)というのはどうなんだ?
そもそも失業中の身に先に十数万〜二十数万の現金を負担させておいて,コース終了後に金を出すという発想はあまり優しいものではない.ローンも可能ではあるが,先の見通しがなければ組めッこないわけだし.むしろ失業者には全科目割引制度を設けるくらいの温情があって然るべきなのでは.
その他少し雑多な情報.
「玉掛け」なんてのは,20年かそこら前は半日講習だったという.技能講習にはそれぞれ3択の学科試験と実技試験(それぞれ時間制限付き)があるが,「玉掛け」については実測・計算演習があり,これまたえらく久々に体積計算なんぞをやったのが感慨深かった(年配の参加者の中には,思い切り単位が混乱して桁の違う答えを出す人続出で笑えた).
力の単位が [N](ニュートン)になってるのに驚いた.
「クレーン運転士免許」は昔は一つだけで,何でも OK だったのが,今は3つに分かれている*1.分けられた当時,旧資格保持者は自動的に全て認められたのだろうか? 学科試験は5択で関東エリアでは何故か千葉で実施.何故か無資格でも学科試験の受験は可能で,独学で先に学科を取得してから,実技の教習を受ける方法もある.実技を先に取ると1年以内に学科取得の必要があり,下手こくと期限切れになる人も居るという話.
同じ吊りモノでも港湾(揚貨装置)や船上クレーンは,別資格が必要になる(これまた何でやねん?).
クレーン車が転倒すると,たいてい周囲に被害が出るので良くニュースで報道される.一方めったに報道されないだけで,小型移動式クレーンの転倒事故は結構発生しているという.
「大型特殊」を取ったのは,最初は港湾作業では公道使うことが多いだろうと思ったからだが,他の資格の免除条件が結構ありそうだという点も大きかった.「フォークリフト」に至っては,3日分の走行練習とその試験が免除になるので,金額的にも大きい.「ショベルローダー等」は受講資格として必要だったし(実務経験が無いので),やはり一日短縮になる.ちなみにフォークの港湾作業は,運転台が剥き出しでエアコンなしなので,冬の北の漁港では相当悲惨だという話を聞いてやるもんじゃないと思った(夏の南も同様だ).
大特の機体はホイールローダー(中折れ式で外輪差が無い!)で最高速度40Km弱だったが,目線が2m 以上という高さで狭い対面コースをガンガン走るので,あれもまたなかなかスリルがあった.
何事も器用な方ではなく,考えてからでないとカラダが動かない性質.5日間程度のコースとなると後半にさしかかるあたりで疲労のピークを迎える.集中力も低下し,そうなると練習を繰り返しても逆に悪くなるので,自分の場合は2,3本固めてやったら休憩を長めに取るとかした.それにしても実技試験直前までことごとくタイムオーバーで,最終日は控え目に練習して本番の気合でセーフというハラハラの連発だった.
乗り物の場合は,意外と普段使わない部分の筋肉痛が起こる.モノにもよるができれば,天候や気温などの条件も多少考慮して受講時期を選ぶのが良い.男の子的には戦車みたいな機体に一度は乗ってみたいと思うので,かなりデカイブルドーザーに乗ったり,油圧ショベルでかなりの坂道登攀したのは楽しかった.坂の頂上でクローラーの前部が宙に浮き,そこからシーソー状態でばったり前方に接地するスリルはなかなかのものだった.反転してそこから今度は坂に向かってばったり行くのが,これまた鳥肌が立つくらいだった.